9月末から10月末に掛け、山本勘太夫社中は大阪府堺市・和泉市・河内長野市を回檀しています。
秋祭りで賑わう大阪には主に堺市を主とする山本勘太夫社中を始め、同じく堺市を巡行する石川源太夫社中(名義:旧伊藤森蔵)、さらには加藤菊太夫社中が南河内方面、山本源太夫社中が藤井寺近隣を巡行と伊勢大神楽の多くの社中が集まり、各地で大変な賑わいをみせます。

各所で行われる府内神社での総舞から、10月10日行われた堺市北区長曾根神社での総舞をご報告致します。


△四方の舞・綾採の曲
この日の放下芸、最初の出番飾ったのは伊勢大神楽講社最年少の20歳、徳島県阿南市出身大神楽師の山本大晟です。高校を卒業後すぐとなる18歳で山本勘太夫社中に入門し、約10カ月の修行を経て弱冠19歳ながら大神楽師免許を修得し、前日の10月9日に20歳を迎えたばかりの若手大神楽師です。まだまだ未熟な放下芸の担い手ですが、長曾根町の皆様の温かい声援を受けて無事、役割を果たしました。

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△水の曲“長水”・献燈の曲・劔三番叟
伊勢大神楽の放下芸の花形である献燈の曲・劔三番叟の両曲は勘太夫社中の四年目コンビである山本笙・山本真之介が務めました。堺市内においても非常に長い奉納歴を誇る長曾根神社での総舞ですが、両曲が揃って奉納されたのは実に40数年ぶりです。

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△神来舞”加藤菊太夫流四段”・魁曲
神来舞の奉納では、山本勘太夫が数年に渡り再興支援を続ける加藤菊太夫社中の流派を特別奉納しました。また本日の特筆すべきは総舞の締め括りを担う演目 魁曲の大技の一つである『一本立ち』です。
約20年に渡り、伊勢大神楽講社全5社中において、この一本立ちを新たに修得した大神楽師は山本勘太夫・山本春太夫の他に現れておらず、また上に乗る『上乗り』、下で土台として支える『台師』のいずれかを必ずどちらかの太夫が担う事で一本立ちが成立してきた、技術伝承における苦難の歴史があります。この度の奉納では二頭立ちの組み合わせを若手大神楽師らがそれぞれに担い、如何な困難な技術であっても、山本勘太夫社中においては確実に次世代の大神楽師らに伝承されている事をお見せする事ができたと思います。

伝承が危ぶまれる魁曲の大技『一本立ち』の記録的奉納の様子
写真左(上乗り:山本笙・台師:山本大晟)
写真右(上乗り:山本真之介・台師:山本八太)

お集まりを頂きました長曽根町の皆様、総舞の特別奉納をご企画頂きました関係者の皆様方、ありがとうございました。
来年は更に良き奉納をおみせできるよう、社中一同精進して参ります。
