専従者による獅子舞、職業‟大神楽師”
伊勢大神楽は、芸能の発祥地である三重県桑名の出身者を中心に担ってきた古典芸能です。
450年以上の歴史を持ち日本で唯一の専従者(プロ)の獅子舞として国指定重要無形民俗文化財の指定を受けるなど、唯一無二の芸能として確固たる地位を築いて参りました。
しかし、世襲を中心とした後継者選びもあり古典芸能の宿命とも言える担い手不足に悩まされ昭和70年代~平成10年頃までは担い手の高齢化が進んでいました。
今、大神楽師を志す若者が増えています。
かつては世襲制度もあり、県外出身者にとって大神楽師への道は狭き門でした。しかし平成中期に入り近代化する現代において改めて日本固有の文化や古典芸能の価値が見直され、伊勢大神楽においても全国から担い手の入門希望者が数多く集まりました。
山本勘太夫社中は平成20年より15年間を「芸能を一層飛躍させる重要な時期である」と認識し、伊勢大神楽における世代交代の時代と位置づけ、一層の芸能の飛躍を目指し改めて全国から新時代の大神楽師を募っています。
△NHKBSプレミアム出演/大阪城での総舞(平成30年)/”いけだ落語うぃーく”出演(平成29年)
伊勢大神楽講社において現在最も勢いのある社中と言われ、テレビ出演や様々な公演への出演依頼など数多くの大舞台を経験するなど、近年の大幅な世代交代・人材育成が功を奏しています。
平成24年度の大神楽師一般募集開始以降、多くの若者が入門を果たし、当社中所属の大神楽師として活動しております。
大神楽師一般募集
平成24年度 志願者2名 不可
平成25年度 志願者4名 入門者1名
平成26年度 志願者5名 入門者1名
平成27年度 志願者1名 入門者1名
平成28年度 志願者3名 入門者3名
平成29年度 志願者2名 不可
平成30年度 志願者18名 入門者3名
令和元年度 志願者4名 入門者1名
令和二年現在、社中7名・保存会員3名 計10名中5名が県外出身者となっています。
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若手入門者の募集
△放下師 松下雄陽(平成28年入門)
伊勢大神楽講社 山本勘太夫社中には「小詰」と「放下師」呼ばれる二つの職能があり入門者の意思や見込みに応じて育成しています。
小詰:篠笛・太鼓・獅子神楽の舞手などを担う。
放下:小詰の職能に加え放下芸を担う。10代・20代前半の若手入門者が主な育成対象。
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入門するには?
入門に至るまでの流れは至って簡素なものです。基本的には現職の大神楽師と面談を行うのみとなっております。
※面談は随時お受けしております。
まずは、メール・電話・書類等で伊勢大神楽講社 山本勘太夫社中宛に入門の意志をお伝え下さい。
山本勘太夫社中運営部
mail連絡先:info@kandayuyamamoto.jp
問い合わせ先:0594-73-2788
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入門志願に際しては、以下の規定を満たしている必要があります。
性別:男性のみ 年齢制限:25歳以下
入門推奨年齢:20歳~23歳
山本勘太夫社中では、篠笛や太鼓の演奏・舞や曲芸など、一人ひとりがじっくり自身を磨き上げて一人前に育っていくのを支えるため、日本の古き良き永年就労という雇用形態を守っています。その為、離職率が低いという特徴があり退職=引退年齢が64歳~70歳と高く、現役大神楽師の勤続年数も過半数が20年を越えるなど大変息の長い職業となっています。
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よくあるご質問
質問:お囃子・舞踊の経験など全くない自分でも入門に問題はありませんか?
答え:大神楽師として必要となる”篠笛・太鼓・唄・舞・放下芸・萬歳(漫才)の稽古や、祈祷・神楽奉納における基礎知識の修得、また神具の管理・制作など、伊勢大神楽を構成する各種職能の指導は全て入門後に開始致します。プロとして活躍する大神楽師の9割は未経験者の入門です。
質問:入門後の大神楽師の生活について教えて下さい。
答え:伊勢大神楽の生活は一年の大半が旅の空です。社中により様々ですが勘太夫社中では約210日を旅先で過ごします。450年以上に渡り、各地方の回檀(檀家回り)日程が遵守されており、例年同じ季節に同じ町へ出向きます。また、春~夏に掛けては約70日の長期休暇を設けており、遠征との切り替えが魅力です。また旅の生活においても旅館と神楽宿(稽古場が併設された専用宿舎)での充実した暮らしや、尚且つ見習い期間から大神楽師固有の手当支給があるため、十分に稽古・勉強に没頭する事が可能となっています。古い仕事ゆえに現代の若者たちにはむしろ”新しい”仕事と実感するかもしれません。
※その他、 応募に関するご質問は【問い合わせ】より受け付けております。